マテハンの自動化とは?重要性やおすすめ機器や導入手順を解説

「物流現場の人手不足で生産性が上がらない。マテハンによる自動化を検討しているが、費用対効果やシステム連携ができるか不安。」
こうした疑問にお答えします。
本記事の内容
- 物流現場におけるマテハンによる自動化の重要性
- 自動化に役立つ主要なマテハン機器一覧
- マテハンの自動化で得られるメリットとデメリット
マテハンとは、物流業務における運搬や荷役作業を指します。慢性的な人手不足の悩みは、適切な機器による自動化マテハンの導入で大きく改善可能です。
最後まで読むことで、自社に最適な自動化の方法が見つかるでしょう。
導入後の具体的な運用イメージを膨らませるために、まずはどのようなマテハン機器で自動化が可能なのかも確認しておきましょう。
NKCが手掛ける自動化ソリューションのラインナップは下記からご確認いただけます。
物流業界でマテハンの自動化が重要視される背景

マテハンとは、物流現場での運搬・荷役・保管・仕分けなどの一連の取り扱い作業を指します。そして、これらの作業を担うコンベヤやAGV、自動倉庫などの設備は、マテハン機器と呼ばれます。
現在は、物流業界において深刻な人手不足やコストの上昇、手作業の限界といったさまざまな課題があり、このマテハンの自動化プロセスが不可欠になっています。
物流現場における慢性的な人手不足
物流業界では人材確保が年々難しくなっています。特に、現場の作業員における慢性的な人手不足は深刻です。
人手不足が深刻化している主な理由は以下の通りです。
- 労働人口の減少による採用難
- 繁閑差に合わせた柔軟な人員配置が困難
- 長時間かつ重労働による高い離職率
この問題を解決するには、マテハン機器の導入による省人化・自動化が有力な選択肢の一つとなっています。
AGV(無人搬送車)や仕分けロボットを活用し、最小限の人数で効率的な作業を実現する事例も増えました。
人件費の高騰による経営の圧迫
賃金の上昇は物流現場の収益を圧迫しており、経営にとって大きな負担です。そのため、マテハン自動化への投資が中長期的なコスト削減策として注目されています。
自動化によるコスト面での特徴は以下の通りです。
- 定型的な作業を機械に任せることで人的コストを最小化
- 初期費用は必要だが、長期的な運用では高い費用対効果を発揮
自動倉庫や自動梱包機の導入により、年間で数百万円規模の人件費削減に成功した実績もあります。
手作業によるミスや生産性の低下
人の手による作業は属人化しやすく、ヒューマンエラーを招きがちです。特にコンテナからの手下ろしであるデバンニングなどの過酷な作業環境では、疲労による生産性の低下も懸念されます。
実際にデバンニングがきついと言われる背景には、夏場の高温多湿な環境や重量物の取り扱いといった身体的負荷があり、これらが離職率を高める要因にもなっています。
しかし、マテハンの自動化を進めれば、物流品質のバラツキや遅延といったリスクを大幅に抑えられます。
手作業と自動化の違いを以下にまとめました。
| 項目 | 手作業 | 自動化 |
|---|---|---|
| 作業精度 | ミスが発生しやすい | ミスが激減する |
| 作業品質 | 個人差によるバラツキあり | 均質かつ高精度 |
| 効率性 | 限界がある | 大幅に向上 |
特にソーターやデジタルアソートシステムを使えば指示情報がデジタル化されます。その結果、目視確認などが不要になり仕分けミスもなくなります。
マテハンの自動化に役立つ代表的な機器一覧
近年、物流現場での人手不足解消を目的に、マテハン機器の自動化が進んでいます。
マテハンの主要な機器とそれぞれの特徴を知り、自社に適したソリューションを見つけましょう。
AS/RS(自動倉庫)
AS/RS(自動倉庫)とは、商品の保管や出庫を自動で行う倉庫システムです。自動クレーンやシャトルが、高密度で商品を保管・搬送する仕組みがあります。
AS/RS(自動倉庫)の導入により、以下のような効果が期待できます。
- 省人化と作業効率の大幅な向上
- 入出庫作業の自動化による荷物探しや移動の手間が削減
従来型倉庫と自動倉庫の違いは以下の通りです。
| 項目 | 従来型倉庫 | AS/RS(自動倉庫) |
|---|---|---|
| 保管効率 | 低い | 高密度保管が可能 |
| 作業負荷 | 手作業・属人的 | 自動運転・省人化 |
| 入出庫精度 | 作業者の経験に依存 | システムによる高精度 |
| 初期費用 | 比較的低い | 高い |
AS/RS(自動倉庫)は初期費用はかかりますが、スペースの節約と生産性アップが期待できます。
あわせて読みたい:倉庫自動化の方法は?システム導入手順を徹底解説【事例あり】
GTPシステム(Goods to Person)
GTPシステムは、商品が自動で作業者の元へ届けられる仕組みです。作業負担の軽減とピッキング精度の向上が実現します。
人が広い倉庫を歩き回る必要がなく、ロボットや搬送機が移動を代行するのが特徴です。
棚搬送型ロボットなどが連携し、必要な商品をピッキング場所まで運ぶため、身体的負荷の小さい作業に置き換えやすく、年齢を問わず働きやすい環境づくりに役立ちます。
AGV(無人搬送車)
AGV(無人搬送車)とは、設定したルートを自律走行し、荷物を搬送する無人車両です。運搬作業におけるマテハンの自動化により、工場の効率化に直結します。
AGVはコンベヤと比べるとレイアウト変更への対応力が高く、省人化を進めやすい点がメリットです。障害物や人の動きを感知して安全に走行できるタイプもあります。
また、物流波動の変化や作業負荷の増大にも、柔軟に対応可能です。
なお、近年はAGVに加えて、より柔軟なAMRも普及しつつあります。
あわせて読みたい:AGF(無人搬送フォークリフト)とは?AGVとの違いも徹底解説
自動仕分けソーター
自動仕分けソーターとは、配送先や品種ごとに商品を高速で仕分けるマテハン機器です。手作業と比べて、仕分け速度と精度が格段に向上します。
自動仕分けソーターには多彩な仕分け方式があり、短時間での大量処理が実現可能です。
- スライドシュー方式
- クロスベルト方式
- ロボット式
ロボット式ソーターはレイアウト変更に対応しやすく、中小規模の現場でも導入が進みつつあります。省人化が進むことで、人為的ミスの削減も期待できるでしょう。
コンベヤシステム
コンベヤシステムとは、荷物を自動で搬送するライン設備。作業者の移動負担をなくし、スムーズな物流フローを構築できます。
ピッキングや梱包といった各工程と連携でき、処理能力の拡張性も高いのが強みです。ラインの自動化によって、複数の工程をつなぐことができます。
IoTを活用したスマートコンベヤも登場し、生産性向上に貢献しています。
なお、本記事でご紹介したコンベヤシステムやAGV(無人搬送車)など、当社では物流課題を解決する多彩なマテハン機器を取り扱っております。
各製品のスペックや動作イメージについては、製品ページにて詳しくご覧いただけます。
マテハン自動化を導入するメリット

物流現場での人手不足や作業ミスといった課題解決に、マテハン自動化は大きく貢献します。マテハンによる自動化を導入する主なメリットは以下の通りです。
- 省人化による採用コストの削減
- 作業スピード向上による生産性向上
- 人的ミスの防止と物流品質の向上
- 倉庫の保管効率の最大化
現場に適した機器の導入で、経営基盤の強化を実現しましょう。
省人化による採用コストの削減
マテハン自動化の主要なメリットの一つが、省人化によるコストカットです。
AGVなどの自動化マテハン機器を取り入れれば、これまで人が行っていた作業を機械へ置き換えられるでしょう。
荷物の運搬や保管といった業務を自動化し、人手不足を根本から解消します。
結果として求人広告費や教育にかかる時間を減らせるため、安定した運営が可能です。
従来の手作業と自動化後の変化を以下にまとめました。
| 項目 | 従来の手作業 | 自動化導入後 |
|---|---|---|
| 作業要員 | 多くの人手が必要 | 最小限の人数で運用 |
| 稼働時間 | 労働時間の制約あり | 夜間も含め24時間稼働 |
| 採用コスト | 頻繁な採用が必要 | 採用頻度が低下 |
このように、人手確保が難しい状況でも、一定の物流品質を保てます。
作業スピード向上による生産性向上
マテハン機器による作業の自動化は、現場の生産性を飛躍的に高める要素です。手順が決まった業務をロボットが担うことで、処理スピードが格段に速くなります。
特に、ソーターやデジタルピッキングシステムを使えば、大量の商品も短時間で正確に処理できるでしょう。
また、人的な作業遅延がなくなり、急な物量増加にもスムーズに対応可能です。
- ソーター活用で大量仕分けを高速化
- ピッキングシステムの導入で無駄な動きをカット
このように、人による作業のボトルネックを解消し、リードタイム短縮を実現します。
人的ミスの防止と物流品質の向上
マテハン機器で作業を自動化することで、ヒューマンエラーを大幅に減らせる点も魅力です。
例えば、バーコードやセンサーを用いた自動認識技術により、正確な在庫管理を行えます。さらに、オートラベラなどが自動でラベルを貼るため、誤配送のリスクもほとんどありません。
人手作業と自動化機器の違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 人手による作業 | 自動化機器による作業 |
|---|---|---|
| 精度 | 疲労によるミス発生 | 常に一定の精度を維持 |
| 品質 | 個人差が出やすい | 均一な品質を保持 |
| クレーム | 誤出荷リスクあり | クレーム発生率の低下 |
作業の属人化を防ぎ、顧客満足度の向上につなげます。
倉庫の保管効率の最大化
マテハン自動化の導入で、空間を無駄なく使えます。天井近くの高い場所までラックとして利用できるため、収納力が格段にアップするためです。
また、最適なレイアウト設計により、限られたスペースでも在庫回転率を高められます。
- 高密度保管によって収納可能数が増加
- スムーズな入出庫で商品の滞留を防止
スペースを有効活用することで、物流フロー全体の効率化が達成できるでしょう。
マテハン自動化のデメリット
マテハン自動化は業務効率化に有効ですが、導入にはいくつかのデメリットも存在します。
- 導入にかかる初期投資コスト
- 既存業務フローの大幅な見直し
- システム障害による業務停止リスク
事前に把握しておくべき主な課題について解説しましょう。
導入にかかる初期投資コスト
自動化マテハン機器の導入において、もっとも大きなハードルとなるのが初期費用の高さです。特に、AGV(無人搬送車)や自動倉庫といった機器本体は、高額になりがちです。
さらに、現場に合わせたシステムのカスタマイズや設置工事を行うとコストは増加します。マテハン機器導入にかかる主なコスト構造を以下にまとめます。
| 費用の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ハードウェア費 | 搬送ロボット、自動仕分け機、自動倉庫など |
| ソフトウェア費 | 在庫管理システムとの連携、制御ソフト開発 |
| 工事・その他 | 設置工事、レイアウト変更、教育コスト |
短期的なコスト削減効果は見えにくいため、投資回収には時間がかかるかもしれません。
そのため、中長期的な視点を持ち、ROI(投資対効果)の入念なシミュレーションが必要です。
既存業務フローの大幅な見直し
マテハン自動化を成功させるには、これまでの業務プロセスや倉庫レイアウトを根本から変えなければなりません。
新しい設備に合わせて、物の流れや作業ルールを再設計する必要があります。
長年慣れ親しんだ方法が変わることに、現場スタッフが抵抗感を持つケースも少なくありません。
属人的なアナログ作業から脱却するためには、組織体制の調整も重要です。
- 現場動線や保管場所の最適化
- 新しい手順書の作成と周知
- スタッフへの操作トレーニング
新しい仕組みをスムーズに定着させるため、段階的な移行計画を立ててください。
システム障害による業務停止リスク
高度なIT技術で動くマテハン機器は、トラブル発生時に物流ラインが停止するリスクを抱えています。
システム障害やネットワークエラーが起きると、すぐに手作業へ切り替えることが困難です。
復旧には専門的なスキルが必要となり、現場の担当者だけでは解決できない場合もあります。
| 想定されるリスク | 必要な対策 |
|---|---|
| 機械トラブル | 定期的なメンテナンス、メーカー保守契約 |
| システムダウン | サーバーの二重化、バックアップ管理 |
| 対応の遅れ | 障害時対応マニュアルの整備、人材育成 |
万が一の事態に備え、BCP(事業継続計画)に基づいたリスク管理を行いましょう。
失敗しないマテハン自動化の導入手順

物流現場における深刻な人手不足や生産性の悩みを解決するため、マテハン自動化を検討する企業が増えています。しかし高額な投資が必要となるため、計画的に進めることが重要です。
ここでは失敗しない導入の手順を4つのステップで解説します。
- 自社の課題を特定し目的を定める
- 費用対効果を算出し予算を確保する
- 現場オペレーションの変更点を設計する
- 条件に合うベンダーを選定し導入する
①:自社の課題を特定し目的を定める
マテハンによる自動化を成功させるには、まず自社の課題を正確に把握することが必須です。
マテハンは物流業務の効率化に欠かせない要素ですが、どの工程にボトルネックがあるかを見極める必要があります。例えば、各工程に以下のような課題があることが多いです。
- 仕分け:手作業によるミス、作業の遅れ
- 運搬:重労働による負担、移動のロス
- 梱包:出荷量に対する処理能力不足
目的が人件費削減なのか作業精度の向上なのかによって、選ぶべき機器は変わります。自動化したい範囲とゴールを明確に定義しましょう。
②:費用対効果を算出し予算を確保する
自動化マテハンは初期導入コストが高額になりがちです。投資に見合う効果が得られるか、詳細な費用対効果の分析を行います。
- 機械式:処理能力は高いが、設備が大掛かりになる
- ロボット式:導入コストが比較的抑えられ、柔軟性が高い
また、予算を算出する際は、以下の項目を含めて計算します。
- 機器の本体価格と設置工事費
- 保守・メンテナンス費用
- システム連携に必要なソフトウェア費
- 削減できる人件費や経済効果
WESなどの統合管理システムが必要な場合も考慮し、総額での予算確保を進めます。
③:現場オペレーションの変更点を設計する
マテハン機器の導入に伴い、業務プロセスや倉庫レイアウトの大幅な変更が必要です。スムーズな運用のために、事前に詳細な設計を行いましょう。
導入前に以下の要素をシミュレーションしておくと安心です。
- 動線を最適化したレイアウト設計
- 新しい作業手順の構築
- WMS(倉庫管理システム)など既存システムとの連携方法
- トラブル発生時の対応フロー
また、現場スタッフの理解を得ることも、導入成功の大きな鍵です。事前に変更点を共有し、新しい作業方法についての教育計画を立てます。
④:条件に合うベンダーを選定し導入する
最後に自社の要件に合うベンダーを選定し、導入を開始します。AGVやAMRといった最新搬送ロボットなど、複数の提案を受けて比較検討してください。
ベンダー選びで確認すべきポイントは以下の通りです。
- 同業種での導入実績
- 機器の品質と保証期間
- カスタマイズの柔軟性
- 導入後のサポート体制
一度にすべての機器を導入するのではなく、優先度の高い工程から段階的に進めるのがおすすめです。現場への負担を軽減し、リスクを最小限に抑えることができます。
信頼できるパートナーをお探しの際は、ぜひ当社の製品ラインナップと実績も比較検討の材料としてご覧ください。
まとめ
マテハンとは、物流業務を効率化するカギであり、現場への自動化の導入は人手不足の解決策となります。
実際にマテハンによる自動化は、人件費の高騰や作業効率の低下といった課題を根本から解決する有効な手段です。
一方で、導入コストの確認や業務の見直しも必要です。まずは自社の課題把握や、費用対効果の検討を行い、現場設計やベンダー選定をしっかりと進めましょう。
マテハン導入による省人化・自動化をご検討の際は、豊富な導入実績を持つ当社の製品もぜひ選択肢にお入れください。 貴社の課題解決に最適なソリューションが見つかります。