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物流課題の背景と問題一覧|システム導入で実現する解決策とは

課題がある物流倉庫のイメージ画像

「2024年問題への対応やDXなどの物流の課題を言われても、具体的にどこから手をつければ費用対効果が出るのか分からない。」

こうした期待に応えるため、現状の物流問題を詳しく解説します。

  • 物流業界を取り巻く深刻な課題の一覧
  • 国土交通省の指針に基づいた物流課題の解決策
  • 物流課題の解決を加速させるシステム導入の手順

現在の状況において物流課題を解決するには、2024年問題への迅速な対応とDXの推進が欠かせません。

この記事を読めば、法規制への適応やコスト削減の道筋が明確になります。経営層への納得感ある提案も可能になるため、ぜひ参考にしてください。

物流の課題が深刻化する背景

物流業界が直面する課題は、企業単独での対応が難しい構造的な問題へと変化しています。

特に「物流2024年問題」や、2026年4月に施行された「改正物流効率化法」への対応は重要です。物流の停滞を防ぐ取り組みは、今や荷主企業にとっても法的な責任を伴う経営課題の一つとなっています。

要因の種類具体的な内容業界への主な影響
需要構造の変化EC市場の拡大小口配送の増加や再配達による効率低下
労働環境の変化ドライバーの高齢化と若手不足輸送能力の低下や採用コストの上昇
法規制の強化時間外労働規制の強化ドライバー1人あたりの走行距離と稼働時間の制限

国土交通省も物流課題解決に向けた施策を推進しており、社会全体での取り組みが求められています。

出典:総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)|国土交通省

EC需要の拡大

オンライン決済やネット通販の普及などのEC市場の拡大により、物流が担う役割や求められるニーズは変化しています。

配送現場では以下のような対応への負担が増加しています。

  • 配送の小口化による個人宅への少量配送の増加
  • 即日配送や時間指定といった多頻度配送の要求
  • 受取人不在に伴う再配達の発生と稼働効率の低下

ドライバーの高齢化

物流を支えるドライバーの高齢化と人手不足は、避けられない課題です。全産業と比較しても若年層の入職者が少なく、労働力の確保が困難な状況が続いています。

人手不足が生じている理由は以下の通りです。

  • 長時間労働や荷役作業による肉体的負担の大きさ
  • 他業種と比較して賃金水準が相対的に低い現状
  • 不規則な勤務体制により若年層の採用が進みにくい傾向

長時間の稼働によって人員不足を補う構造は、法規制の強化もあり見直しを迫られています。

時間外労働規制の強化

2024年4月から施行された時間外労働の上限規制は、輸送能力の低下に影響を与えています。2026年には流通業務総合効率化法が本格的に施行され、企業への新たな取り組みも必要です。

対象となる企業に対し、以下の措置が段階的に義務付けられます。

  • 一定規模以上の特定荷主に対する物流統括管理者の選任義務
  • 中長期計画の提出や定期報告の実施と、違反時の罰則規定
  • 荷待ち時間の短縮など、荷主側が主導する現場改善の要求

労働環境の改善は重要ですが、対策なしでは物流コストの上昇を招きます。

出典:「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定|国土交通省

物流業界が抱える課題一覧

物流課題を解決するフォークリフトなどのソリューション

物流業界の現状は、労働力不足だけでなくコスト増大や配送効率の低下といった複数の課題が複雑に絡み合っています。

具体的にどのような課題があるのか、8つのポイントについて解説します。

  • 人手不足・高齢化
  • 燃料費の高騰
  • 再配達の増加
  • 労働生産性の低下
  • 輸送の多頻度化・小口化
  • 物流のDX化・AI導入の遅れ
  • 環境問題への配慮
  • 荷待ち時間や荷役時間の長さ

人手不足・高齢化

物流業界における深刻な課題は、トラックドライバーをはじめとする人材の不足と高齢化です。他産業と比較して長時間労働でありながら、賃金水準が低めに留まっている労働環境が主な要因とされています。

業界の現状と制度の推移は以下の通りです。

項目概要と具体的な変化
時間外労働の規制・働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用。
・輸送能力が不足する「2024年問題」への対応が続く。
改正物流効率化法2026年4月の改正法により、特定荷主に対して「物流統括管理者」の選任や、中長期計画の策定・報告が義務付けられている。
対象職種の広がり人手不足は運転手だけでなく、倉庫内作業員や運行管理者など、物流を支えるあらゆる職種におよんでいる。

あわせて読みたい:製造業の人手不足はなぜ?現状データと解決策【専門家が解説】

燃料費の高騰

物流コストを直接押し上げる要因となっているのが、燃料費の高騰です。原油価格の変動や為替の影響により、軽油やガソリンの価格が不安定な状況が続いています。

物流課題解決に向けた取り組みとして、業界では以下の施策が進められています。

  • 積載効率の向上:1台あたりの貨物量を増やし、単位あたりの燃料消費を抑制
  • モーダルシフト:トラック輸送の一部を、環境負荷が少なく大量輸送が可能な鉄道や船舶に切り替え
  • デジタル活用:運行管理システムで、最適なルート走行やアイドリングの削減を徹底

環境規制やカーボンプライシングの議論も進む中、燃料コストの管理は企業の持続可能性を左右する課題です。

再配達の増加

EC市場の急速な拡大に伴い宅配便の取扱個数が増加し、再配達の発生が業務効率を低下させています。

再配達削減に向けた主な施策は以下の3点です。

施策の方向性解決策
受け取り拠点の多様化宅配ボックス、コンビニ、PUDOステーションなどの活用
配送方法の改善置き配の指定や、時間帯指定の細分化
プラットフォームの協力ポイント付与によるインセンティブや、配送状況のリアルタイム通知

労働生産性の低下

日本の物流業界における労働生産性は、他産業と比較して低い水準にあります。

背景にあるのは、物流現場での荷待ち時間や荷役作業の常態化、積載率の低さなどの構造的な物流課題です。

こうした現状を見直すため、物流効率化法では以下の目標が設定されています。

  • 荷待ち・荷役時間の削減:年間1人あたり125時間の削減を目指す
  • 輸送能力の向上:全体の車両で積載効率44%の増加を目指す

出典:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト|国土交通省

輸送の多頻度化・小口化

EC市場の拡大により、少量の貨物を高い頻度で送るニーズが増えています。この傾向は積載効率を低下させ、配送現場の負担を増大させる要因です。

投入するエネルギーや労働力に対して輸送効率が上がりにくい構造を見直すため、運送事業者だけでなく荷主企業の協力による配送回数の削減やモーダルシフトの推進が求められています。

物流のDX化・AI導入の遅れ

物流現場のアナログな運用は、業務効率化を阻む大きな障壁です。配車計画や在庫管理を熟練者の経験に頼る企業が多く、データに基づいた改善が困難になっています。

今後は以下のデジタルツールを活用し、物流課題の解決を図ることが求められます。

  • AI活用による配送ルート最適化システム
  • 倉庫管理システム(WMS)による在庫状況の可視化
  • 荷待ち時間を管理するトラック予約受付システム

環境問題への配慮

物流分野のCO2排出量は多く、環境負荷の低減は社会的責任の1つです。環境対策は輸送効率化と密接に関わっており、コスト削減にも直結します。

物流における環境配慮と企業のメリットは、以下のように整理できます。

施策環境へのメリット企業へのメリット
モーダルシフトCO2排出量の削減長距離ドライバー不足の解消
共同配送車両台数の削減運賃コストの分散と削減
積載率の向上走行距離あたりの排ガス抑制輸送コストの低減

荷待ち時間や荷役時間の長さ

ドライバーが荷主の拠点で待機する荷待ち時間や荷役時間の長さは、長時間労働を発生させる要因となっています。これら拘束時間の短縮が、時間外労働の上限規制に対応する上で欠かせません。

特定荷主に課される主な義務は以下の通りです。

  • 物流統括管理者(CLO)の選任
  • 荷待ち・荷役時間削減に向けた中長期計画の提出
  • 実測値を含む定期的な報告

荷役・待機時間を物理的に短縮するには、物流現場の自動化・省人化による環境改善が不可欠です。

荷役作業の負担を減らし、スムーズな現場をつくるために、どのような機器で改善が可能なのか。詳細は下記からご覧ください。

物流の課題を解決する対策

深刻化する物流課題を打開するには、従来の慣習を見直し最新テクノロジーやアウトソーシングを取り入れることが不可欠です。

2026年からは改正物流効率化法が本格施行され、荷主企業には物流統括管理者の選任や中長期計画の作成が義務付けられます。

こうした状況を踏まえ、実効性の高い以下4つの対策を解説します。

  • 物流システムの導入
  • 業務のアウトソーシング
  • 共同配送の実施
  • AI技術の活用

物流システムの導入

物流課題解決において、最初に取り組むべきはシステムの導入による可視化と効率化です。

主な物流システムの種類と役割を以下の表にまとめました。

システム名称略称主な役割・機能
倉庫管理システムWMS・入出庫管理
・在庫状況の可視化
・棚卸し
・誤出荷の防止
輸配送管理システムTMS・配車計画の作成
・配送ルートの最適化
・車両の動態管理
バース管理システム・トラックの予約受付
・荷待ち・荷役時間の計測と管理

業務のアウトソーシング

自社だけで物流機能を維持・最適化することが難しい場合、業務のアウトソーシングは有効な選択肢の1つです。

物流の専門家である3PL事業者に委託することで、コストの最適化や品質向上が期待できます。

深刻な作業員不足を解消するため、「倉庫運営」「在庫管理」「検品やラベリングなどの流通加工」などの業務を外部へ委託する企業が増えています。

共同配送の実施

個々の企業努力だけでは改善が難しい積載率の低下に対しては、共同配送の実施が有効な対策となります。

複数の企業が、同一エリア向けの貨物を1台のトラックに積み合わせる共同配送には以下のメリットがあります。

  1. 輸送コストの低減:車両台数の集約による、配送コストの分散と効率化
  2. 環境負荷の低減:運行車両数の削減にともなう、CO2排出量の抑制
  3. 輸送力の確保:限られたドライバー資源や車両の有効活用

国も共同配送やモーダルシフトを政策的に推進しており、補助金制度の対象にもなっています。

出典:物流効率化推進事業|国土交通省

AI技術の活用

複雑化する物流課題に対し、高度なデータ分析や意思決定を支援するのがAI技術の活用です。経験や勘に頼った配車計画や在庫管理を見直し、蓄積されたデータに基づいた予測分析を取り入れる動きが進んでいます。

  • 配送ルート最適化:渋滞予測を考慮した最短ルートの算出
  • 需要予測:過去のデータから適切な在庫量を予測
  • 自動化設備ピッキングロボットによる効率化・自動化
  • リスク管理:AIによる遅延予測や故障予兆の検知

AIを活用すれば走行距離や拘束時間を物理的に短縮でき、属人的な業務を標準化できます。

配送効率の向上や2024年問題をはじめとする物流課題をクリアする手段として、AIや自動化設備の導入が注目されています。

NKCでは、ピッキングロボットや最先端の物流システムなど、現場のDXを加速させる多様なソリューションを展開しています。詳細は下記からご覧ください。

物流の課題を解決するシステム導入手順

物流の課題を解決した倉庫

物流の課題を解決するためのシステム導入手順を、実務に即した4つのステップで解説します。

  1. 自社の現状を分析する
  2. 費用対効果を算出する
  3. システムを選定する
  4. 現場で運用テストを行う

自社の現状を分析する

物流改善の第一歩は、自社の現状を客観的な数値で把握することです。改正物流効率化法への対応において、特定荷主などは荷待ち時間や積載効率などの主要指標を国へ報告する義務があります。

現状分析では、主に以下の指標を整理・可視化します。

  • 配送リードタイムなどのサービスレベル
  • 荷待ち時間や荷役時間といった運行効率
  • 積載率や車両稼働率などの生産性指標
  • 配送コストや物流費比率などのコスト指標

まずは既存の伝票や日報をデジタル化し、TMSやWMSなどの導入に向けたデータ基盤を構築します。

費用対効果を算出する

現状を把握した後は、システム導入による費用対効果を明確にします。燃料費や人件費が上昇する中、社内の合意形成や中長期計画の策定を進めるには、定量的な成果予測が必要です。

費用対効果を算出する際は、以下の項目を参考に導入前後の数値を比較します。

比較項目システム導入による期待効果
車両コストAI配車によるルート最適化で走行距離と台数を削減
労働コスト荷待ち時間の短縮や事務作業の自動化による人件費抑制
ロスコスト在庫管理の精度向上による誤出荷や過剰在庫の削減
法令対応リスク法定義務の履行による勧告や命令等の行政措置の回避

システムを選定する

自社の課題解決に最適なシステムを選定します。選定基準としては、法規制に対応できるデータ管理・集計機能を備えているかどうかが重要です。

具体的な選定の観点は以下の通りです。

  1. 指定された指標を容易に集計できるデータ抽出機能
  2. API等でデータ連携が可能な外部連携性
  3. 現場抵抗感なく操作できるインターフェース
  4. 管理者が経営判断を行うためのダッシュボード機能

現場で運用テストを行う

システム導入後は、必ず現場での運用テストを実施します。物流改善はシステム単体で完結するものではなく、現場のオペレーション変更とセットで機能するためです。

テスト運用では、以下のサイクルで検証と調整を繰り返します。

  • 実際の配送ルートでAIの指示通りに運行しリードタイムや負荷を確認する
  • テスト前後の荷待ち時間や燃料費の変化を具体的に算出する
  • 現場スタッフからのフィードバックに基づき設定や運用ルールを修正する

まとめ

現在の物流業界は、2024年問題や人手不足といった物流課題に直面しています。

国土交通省の指針でも配送の効率化が求められる中、これらの問題はコスト増加に留まらず、今後の企業経営における懸念事項です。

NKCでは、棚内・棚外の両方を走行できるAGVや無人フォークリフト、コンテナからの荷降ろしを自動化するデバンニングロボットなど、現場のさまざまなニーズに応えるマテハン機器を提供しています。

持続可能な物流体制を構築するための選択肢として、まずはNKCへお気軽にお問い合わせください。

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